血と言うものを感じられるのは、私と父と祖母の顔が似ている事。

私の住む田舎は、何もないところだ。

祖母の親戚が家を尋ねて来た時に私は小学生だった。

たぶん何気なく外に出て遊んでいたか、10円を握りしめて駄菓子でも買おうとしていたかだろう。

バスで到着した祖母と似ている雰囲気の叔母達が歩いて私のところまで来た時。父に似ている私を見つけ目印がわりにしたのである。

夫が私と結婚して、度々私の実家へ顔を出すと祖母の年齢では夫に必ずお茶から始まる。

祖母から誰々さんにお茶と夫の名前を言うので、番茶かも知れないけど、夫にお茶を出していた。夫は、内心嬉しかったのだろう。

認知症になり、私や父の事は、忘れていないのに、夫にだけ、どなたでしたかねと言う方言で言われる事に寂しい思いをしたのかもしれない。